全国・住まいるニュース

2021
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沖縄県の社会的企業自然組(じねんぐみ)一級建築士事務所
  (後藤道雄氏代表)を紹介します。

自然環境に配慮し、地形・植生・生態系を改質しない土木・建築の企画。設計建築時の小規模環境アセスメントを実施、特に木材の循環を生かした伝統的な建築の推進、啓発、普及活動を行っています。

「宙に浮く心柱」外観(糸満市)

社会的企業(?)

あまり耳慣れませんが通常、民間会社は利潤追求、NPOは社会貢献(寄付等)・・・社会的企業はその中間に位置します。
自然組さんは利益を追求するだけの営利企業ではなく、NPO法人のような慈善事業や助成金に頼る団体でもありません。
人格形成、環境教育、青少年育成、街づくり等、社会的な課題を解決する目的をもった企業です・・・

簡単に言えば社会の課題を解決しながら収益を得る一般企業より少し社会性が高い企業という事なんですね

「宙に浮く心柱」棟上げ時の見上げ写真(糸満市)

「野生」にこだわり「野生的な力」
を課題解決策に!

自然環境の保全は「野生動植物の保全・保護」です。 全ての生きものの命を尊重する環境倫理に基づく理念をもち、自然との共生は自然と人間の優位性が半々、もしくは自然が優位の場合に成り立つ関係との認識だと考えています。
企業名の「自然(じねん)・組」とは「自然」を無意識の中で捉え自然の摂理に則した暮らし、「組」は木造建築の原点である「木組み」から引用しています。
各々の素材の個性を適材適所に生かし、金物を一切使用せず木造建築を構築する様を社会的企業という理念の基、個人の性格や力を十分発揮しながら社会的貢献を行い、その過程で集まった人々の人間性を高めたいと願っています。

「沖縄市 木材活用コンクール・特別賞」比嘉宏仁邸玄関

「龍が昇る家」(日本建築士会連合会賞・奨励賞受賞)1

「龍が昇る家」
(日本建築士会連合会賞・奨励賞受賞)

代表作の「龍が昇る家」はH28年の日本建築士会連合会賞・奨励賞を受賞しました。 受賞時の選評をそのまま紹介します・・・
「沖縄における台風による風害とシロアリによる虫害は予想以上に大きい。沖縄で伝統的な木造住宅建築が激減し、コンクリート住宅が大半を占めるようになった主要因の一つであった。
受賞作品は、「内地」から沖縄へ移り住んだ設計者の作品である。自ら定住した地域の物語を幾つもの設計と建設行為 によってつくりだそうとしている作者の主張が強く現れている。
構法的検討も多く、風に抗するために桔木を大胆に使用し、大母屋と大梁で強固に固め、沖縄では難しい深い軒の出を実現させた。また、激減してしまった同地の木造建設文化の復活をめざして地元施工者との協調作業も進めている。
段差のある敷地を利用した空間構成も、変化に富む内部空間をつくりだしている。 反面、作者の主張が構造のあらわしの表現をいささか過多に強めてしまっている傾向がある。
過去に沖縄に存在していた伝統住宅への読み取りと理解をさらに行えば、より自然な形での沖縄文化の復権をめざす余地があると感じた。
作品を奨励し、さらなる今後の活躍を期待したい。」・・・何かググっときて素晴らしいですね!!

「龍が昇る家」(日本建築士会連合会賞・奨励賞受賞)2

「龍が昇る家」(日本建築士会連合会賞・奨励賞受賞)3

週刊タイムス住宅新聞掲載:エッセーvol.12「私を全部受け入れて」
社会的企業自然組一級建築士事務所HPより

エッセー「新・木ぞう考」・「細部から文化が見える」の連載

週刊タイムス住宅新聞にそれぞれ平成21年11月~23年3月、令和元年10月~令和3年9月まで連載されており、木造建築の具体的な手法や職人技術を紹介、また多角的な視点から沖縄の木造住宅の可能性を探るエッセーです・・・私はVOL12の「私を全部受け入れて」を興味深く拝読しました!何故木造か?から始まり、木を擬人化して木の長所、短所を全て受け入れる・・最終的には各々の自然観が問われているようでとても読み応えがありました!!

課外授業「伝統建築『これから研究会』」会長として

おきなわ環境塾
「木組みの家・ぬちゆるやー」

現在、快適・便利な暮らしを求め過ぎ、自然環境の劣化が止まらず、「命のモノ化」が顕在化するような事件が多発しています。後藤代表が主宰する「おきなわ環境塾」では、このような不安な社会を一元的に捉え、子どもたちの人格形成を目的とする「命の教育」を実践しています。具体的には、林間学校、環境教育、同指導者の育成、野外学習などです。

活動の拠点は、「木組みの家・ぬちゆるやー」(沖縄県建築士会 住宅建築大賞受賞作品)。沖縄本島中部の北中城村内にある比較的自然が残された場所にあります。「ぬちゆるやー」とは、ぬち(命)がたくさん寄ってくる(ゆる)家(やー)という意味です。木組みの家・ぬちゆるやー」には、様々な生きものが棲んでいます。生きものと一緒の暮らしを体験し、穏やかで優しく、元気でたくましい人間に育つ事を願っています。


後藤代表は上記以外にも、金物に頼らない木組みの伝統構法を守ろうと、琉球大学工学部のカストロ・ホワン・ホセ教授らと共に「伝統建築『これから』研究会」を発足・・・
伝統建築と日本文化はリンクしており、伝統建築の疲弊は日本文化の衰退に連動し、文化を守り伝えるためにも建築士、職人、研究者が一体となって今後の伝統建築についての活動を行っています。

沖縄タイムス1面トップ(2018年8月16日)

脳性まひの治療をあきらめない!!・・
自己臍帯血を使った脳性まひ治療の研究が進む中、本人の臍帯血を残しているケースはめったにありません。脳性まひの子の弟や妹の臍帯血を使った治療の実現を願う親御さんのため「さい帯血による再生医療推進全国ネット」の代表としての活動もされています・・・
まさに「社会的企業」の一環といえます!
私自身も次男が障害者のため多少福祉活動に参加していますが全く足元に及ばず本当に尊敬します!!

今後ともの社会的企業自然組(じねんぐみ)一級建築士事務所さんの
益々のご活躍を期待します。

 

社会的企業自然組一級建築士事務所

〒901-2315
沖縄県中頭郡北中城村字荻道572
TEL098-935-1363
http://nuchiyuruya.com/jinen/jinenindex.html

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